遺言執行者の選任

相続に関する法律問題

遺言執行者とは、遺言書に書かれている内容・趣旨を実現するために、相続財産を管理し名義変更などの各種の手続を行って遺産分割をするなど、遺言を執行する権利を持つ人のことです。
遺言執行者をおかなくても、相続人が自分たちで執行できるものもありますが、遺言の内容によっては、相続人の間で利益が相反するケースもあり、相続人全員の協力が得られず手続きが滞ってしまうこともあります。したがって、中立的な遺言執行者が指定されることで、相続人間の紛争を予防・緩和することが期待できます。

遺言書による指定

遺言書のなかで遺言執行者の氏名・住所を記載して指定するか、第三者にその指定を委託できます。

家庭裁判所への遺言執行者選任申立て手続き

遺言の内容によっては、公正な遺言執行が期待できないことが予想される場合、または遺言に「相続人の廃除及び廃除の取消し」「子の認知」についての記載があった場合は、遺言執行者が必ず必要となります。
なお、家庭裁判所に申立てするときに、遺言執行者候補者を記載することになりますが、出来るだけ法律について知識を持っている人、たとえば弁護士、司法書士等の専門家が行うほうが、執行内容を確実に最短で行うことが出来ます。

●申立人
 利害関係人(相続人、相続債権者、受遺者など)
●管轄
 被相続人の最後の住所地
●手数料等
 執行の対象となる遺言書1通ごとに収入印紙800円と郵便切手(裁判所によって金額が異なります)
●必要書類
 申立人の戸籍謄本、被相続人(遺言者)の除籍謄本、遺言執行者候補者の戸籍謄本、住民票、身分証明書、登記ないことの証明書、遺言書の写し

遺言執行者の資格要件

・未成年者と破産者を除いては誰でも遺言執行者になれます。
・特に資格などは必要ありませんが、専門的知識や経験が豊富な者を選任してもらったほうが安心です。

遺言執行者の任務

遺言執行者は、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有します。たとえ法定相続人であっても、遺言の対象となった相続財産の処分、その他遺言の執行を妨げるような行為は一切禁止されます。
<具体的な任務>
・相続人・受遺者へ遺言執行者に就任した旨の通知の発送。
・相続財産リスト(目録)を作成し、相続人・受遺者へ交付。
・受遺者に対して、遺贈を受けるかどうかの確認。
・遺言による認知があった場合、就任後10日以内に市町村役場に戸籍を届出。
・相続人を廃除する旨の遺言があった場合、家庭裁判所へ廃除の申立て。
・不動産があるときは、法務局へ相続登記申請手続。
・遺言に従って受遺者へ財産の引き渡し。
・相続財産の管理、その他遺言の執行に必要な一切の行為。

遺言執行者に対する報酬

遺言執行者への報酬は、相続財産から控除できます。
金額の算定は、2つの方法があります。

①遺言者がその遺言に遺言執行者の報酬を定めたときは、遺言書の定めによります。
②家庭裁判所が指定したときは、家庭裁判所が、相続財産の状況その他の事情によって遺言執行者の報酬を定めます。

相続に関する法律問題について司法書士・宮田浩志からのメッセージ

司法書士・宮田浩志からのメッセージ
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8月 14, 2020