相続税の計算(その3)

相続税

相続税の計算は「課税価格の計算」、「相続税の総額の計算」、「各人ごとの納付すべき税額の計算」の3段階に分かれています。

各人ごとの納付すべき税額の計算とは?

「各相続人等の税額」に、以下の加算・控除を加減算して計算します。

☆ 「各相続人等の税額」= 「相続税の総額」 × B / A
→ A: 課税価格の合計額 B: 各人の課税価格

☆ 相続税額の2割加算
→ 配偶者と一親等の血族(その代襲者を含む)以外の、いわゆる血縁のうすい人や血のつながりのない人が、財産をもらった場合には、相続税が20%増しになる。

*養子・養親は、一親等の法定血族であるため、該当しない。

*この規定を適用した結果、実質税率が50%を超えた場合、50%相当を上限とする。

*15年度から、直系卑属である養子は2割加算される。(代襲相続の場合を除く)

☆ 贈与税額控除
→ その年の贈与税額 ×(甲)/(乙)-(丙)  ・・・前3年分の合計
*甲・・・「相続税の」課税価格に算入された贈与財産
乙・・・その年の「贈与税の」課税価格の合計
丙・・・その年の贈与税の配偶者控除額

☆ 配偶者の税額軽減

→ 配偶者の税額の軽減額・・・・ 相続税の総額 × A/B
A: 「課税価格の合計の内 配偶者の法定相続分相当(1億6千万円に満たない場合は1億6千万円)」 と、 「配偶者の実際取得額」 との いずれか少ないほうの金額
B:課税価格の合計額
→ 放棄者がいた場合でも放棄がなかったものとする
→ 未分割の財産は対象に含まれない。その後、分割されたときに適用を受けようとする場合、「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付する。

☆ 未成年者控除
→ 対象者の要件:
①無制限納税義務者及び国内財産を取得した特例納税義務者である
②法定相続人である
③相続開始時に 20歳未満である

→ 控除額: (20 - 相続開始時の年齢) × 10万円

→ まず当該未成年者の相続税額から控除し、控除しきれない部分の金額は「扶養義務者」の相続税額から控除できる。

☆障害者控除
→ 対象者の要件:
①無制限納税義務者である
②法定相続人である
③相続開始時に 85歳未満である

→ 控除額:一般障害者・・・ (85-相続開始時の年齢)×10万円
特別障害者・・・ (85-相続開始時の年齢)×20万円

→ まず当該障害者の相続税額から控除し、控除しきれない部分の金額は「扶養義務者」の相続税額から控除できる。

☆相次相続控除
→ 10年以内に2回以上の相続があった場合、前の相続において課税された相続税額のうち、1年につき10%の割合で逓減した後の金額を控除します。これは、一族に相続が連続して起きた場合に、税負担が大きくなりすぎないように調整するための規定です。

→ 控除額:A× C/(B-A)(注)× D/C × (10-E)/ 10A: 被相続人の第1次相続の相続税額
B: 被相続人が第1次相続により取得した財産の価額
C: 第2次相続により取得した全員の財産の価額の合計
D: その人が第2次相続により取得した財産の価額
E: 第1次相続開始から第2次相続開始までの年数(1年未満の端数切捨て)
注・・・ C/(B-A)は、100%を超えるときは100%とする。

☆外国税額控除
→ 相続又は遺贈により、国外財産を取得し、所在地国において同国の「相続税」が課された場合。
→ 控除額 ・・・国外財産について外国で課された相続税に相当する税金の額
ただし、「外国税額控除の前段階における相続税額 × A / B」を限度とする。
A: 外国に所在する財産の価額
B: 取得財産の価額のうち 課税価格の計算の基礎に算入された部分の金額

☆ 税額控除項目の控除順序
→ ①贈与税額控除  ②配偶者に対する税額軽減  ③未成年者控除
④障害者控除   ⑤相次相続控除       ⑥外国税額控除

監修:中野会計事務所

相続税について司法書士・宮田浩志からのメッセージ

司法書士・宮田浩志からのメッセージ
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10月 13, 2020