遺留分侵害額請求

相続に関する法律問題

遺留分侵害額請求とは、遺留分を侵害されている相続人が、遺留分を侵害している受遺者や受贈者、あるいは他の相続人に対して、その侵害額を請求することです。
侵害されている相続人自身が請求をすることで、はじめて遺留分を取り戻すことができますが、請求しなければ遺贈などによる受遺者がそのまま財産を取得することになります。
遺留分侵害額請求権を行使すると、受遺者・受贈者は、侵害している遺留分相当額を相続人に対して返還(精算)しなければなりません。
なお、遺留分侵害額請求は、相続発生後、遺留分の侵害を知ってから1年以内に行わないとその権利は時効によって消滅し、または、相続開始時から10年経っても同じく時効にかかります。

遺留分侵害額請求の方法

遺留分侵害額請求の方式に決まりはなく、受贈者又は受遺者に対する意思表示だけで効力が生じるとされ、必ずしも初めから裁判上の請求による必要はありません。
しかし、裁判外で請求する場合は、内容証明郵便によって意思表示をするのが適当です。遺言執行者がいる場合は、遺言執行者にも遺留分侵害額請求権を行使する旨を知らせます。
相手方がそれに応じない場合には家庭裁判所の調停によることになります。

遺留分侵害額請求申立て手続き

●申立人 
遺留分権利者(直系卑属、直系尊属及び配偶者)、その承継者
●管轄
 相手方の住所地又は当事者が合意で定める家庭裁判所
●手数料等
 収入印紙1200円と郵便切手(裁判所によって金額が異なります)
●必要書類
 申立人・相手方の戸籍謄本、住民票、被相続人の除籍謄本、及び出生まで遡った戸籍謄本一式、相続人全員の戸籍謄本、相続関係図、遺産目録、贈与・遺贈物件目録、不動産登記簿謄本・固定資産評価証明書(遺産に不動産がある場合)、遺言書の写し、遺留分侵害額請求の意思表示が相手方に到達したことを証する書面(内容証明等)

遺留分侵害額請求の効果

遺留分侵害額請求の意思表示が相手方に届いた時点で、法律上当然に受遺者または受贈者に対する金銭請求権が発生します。遺留分を侵害している遺贈または贈与の効果が失われるので、遺留分を限度として遺留分権利者の所有に属することになります。あとは話し合いで、または場合によっては調停や訴訟によって、遺留分に見合う遺産を現実に取り戻すことになります。

受遺者または受贈者の負担額

遺留分減殺の順序として、
○贈与と遺贈が併存している場合
 受遺者が先に負担する。
○数個の遺贈がある場合
 遺贈は、その目的の価額の割合に応じて負担する。
 →遺言により割合を定めることができる。
○数個の贈与がある場合
 後の贈与から順次前の贈与に対してする。
 →遺贈の場合と異なり、遺言者がこれと異なる定めることはできない。

相続に関する法律問題について司法書士・宮田浩志からのメッセージ

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8月 14, 2020